医師免許取得後、約10年間は麻酔科として主に手術室麻酔に従事していました。麻酔科は麻酔本来の業務に全身管理が含まれ、気道確保、人工呼吸を含めた呼吸管理、循環管理を学んできました、また、麻酔を受ける方々には内因性疾患を有する患者も多く、内科疾患についても学ぶことができたと思います。

　その後の10年間は医師になった目的である救急医療に携わることができました。救命センターでは重症患者の初期対応から集中治療まで、ERにおいては軽症患者を含む全ての救急患者の初期対応を学んできました。また、埼玉医大総合医療センターは埼玉県ドクターヘリの基地病院として委託運営を担っており、在任中は現場運営管理を任されていました。自身のフライト件数は300件程度ですが、運航開始から約2000件の運航管理を行ってきました。

　このような環境の中、災害医療にも関与する機会をいただき、災害拠点病院のDMAT隊員として東日本大震災時には気仙沼へ、国際緊急援助隊(JDR)隊員としてネパールでの活動を経験することができました。

　麻酔科医、救急医として病院内の医療だけではなく、プレホスピタル、災害現場と他の職種との連携を持つ機会を多く頂き、病院内だけではない活動を視野に入れています。
　通常時からの地域と密着した医療、そして災害時にも対応できる医療を、地域住民の一番身近にいる一医療者として、小さなクリニックから発信、実践することが目標です。